「毎月Web広告に30万円くらい使ってるんですが、正直、売上が伸びてる実感がないんですよね…。
何が悪いのかもよく分からなくて、結局、毎月なんとなく惰性で出し続けています。」
広告の相談を受けていると、こういう状態になっている会社があります。
ただ、話を聞いていて難しいのは、“広告が完全に失敗している”とは言い切れないことなんです。
問い合わせ自体は入っているし、広告レポートを見るとCPAも極端に悪いわけではない。クリック率も最初の頃より少し改善しているので、「これはもう止めた方がいいですね」と簡単に判断できる状況ではない。
むしろ最初の数ヶ月は、かなり前向きに見られていることが多いです。
今まで紹介中心でやってきた会社ほど、「Webから問い合わせが来た」という事実そのものに手応えが出やすいので、定例でも、
「思ったより反応ありますね」
「ちゃんとWebでも来るんですね」
みたいな会話が増えてくる。
実際、問い合わせ件数も増えているし、広告レポートにも変化が出ているので、その時点では、
「一旦このまま続けてみますか」
となりやすい。
ただ、その頃はまだ、“問い合わせの中身”までは細かく見られていないことがあります。
問い合わせが来ている以上、「広告は動いている」と感じやすいですし、CPAも改善しているので、社内でも「方向性としては間違っていないんだろう」という認識になりやすいんです。
広告が完全に失敗していないから、やめる判断ができなくなる
少しずつ定例の内容が変わってくるのは、半年くらい経った頃からです。
以前は、
「今月何件入りました」
が中心だった会議で、
「その案件、結局どうなったんでしたっけ」
の確認が増えてくる。
営業側からも、
「比較で終わるケース増えましたね」
「一応候補には入るんですけど、最後決まらないです」
みたいな話が少しずつ出始めるんですが、それでも広告レポートを見ると数字自体はそこまで悪くありません。
月次レポートを見ると、CPAは前月より下がっているし、CV率も少し改善している。
なので会議でも、
「一応、改善自体はしてるんですよね」
という話になる。
ただ、そのあと営業側から、
「見積だけめちゃくちゃ増えてるんですよ」
という話が出てくる。
以前より問い合わせ件数も商談数も増えている。ただ、その分、見積作成や提案資料、比較対応の時間ばかり増えて、営業側の工数がかなり圧迫されるようになっていた。
例えば、以前なら社長同士で話が進んでいた案件が、広告経由になると、
- まず資料請求
- オンライン打ち合わせ
- 相見積もり提出
- 社内検討
- 再提案
まで進んで、最後に「今回は他社で…」になる。
しかも、その状態でも広告レポートを見るとCV数自体は増えているので、「広告が悪い」とも言い切れない。
定例でも、
「CPAは改善してます」
「問い合わせも増えてます」
という報告は出る。
ただ、そのあと営業側から、
「でも、決定率かなり落ちてますよね…」
という話が出る。
その瞬間だけ少し会議が止まる。
でも、だからといって、
「じゃあ広告止めましょう」
ともならない。
数字だけ見ると改善しているので、結局その日も、
「もう少し見ますか」
で終わる。
それが何ヶ月か続いていく。
CPAやCV数だけ見ていると、“問い合わせの質”が見えなくなる
実際、以前相談を受けた製造業の会社でも、広告の数字だけ見ると順調でした。
月30万円前後をリスティング広告へ投下していて、CPAは2万円台前半。問い合わせ件数も以前の月3〜4件から、月10件近くまで増えていた。
広告会社から見れば、かなり悪くない数字です。
ただ、社長へ話を聞くと、
「売上増えてる感じがしないんですよね」
という反応だった。
詳しく見ると、問い合わせ自体は増えていたんですが、その多くが、
- 「とりあえず比較したい」
- 「まず価格を知りたい」
- 「相見積もり用に情報収集している」
ような案件だった。
その結果、
- 見積提出数
- 提案回数
- 打ち合わせ数
だけが増えて、営業工数がかなり膨らんでいた。
しかも、受注率は以前より落ちていた。
以前は紹介案件中心だったので、5件商談すれば2〜3件決まっていた。それが広告経由になってからは、10件提案して1件決まるかどうか、みたいな状態になっていたんです。
ただ、広告レポートだけ見ると、
- CPA改善
- CV数増加
- CTR改善
は出ている。
なので、“広告が悪い”とは判断しづらい。
数字は改善している。
問い合わせも増えている。
でも、営業側は以前より明らかに疲れている。
しかも、見積提出数は増えているのに、受注はそこまで増えていない。
この状態になると、社内でも何を成果として見るべきなのかが少しずつズレ始めます。
例えば、
- 問い合わせ増加
- CPA改善
だけ見れば順調に見える。
ただ、
- 受注率50%→10%
- 提案工数2倍
- 見積件数3倍
みたいな状態になっていたら、会社全体ではむしろ苦しくなっている可能性があります。
なので広告を見るときは、
- CPA
- CV数
だけではなく、
- 商談化率
- 提案率
- 受注率
- 平均単価
- 営業工数
まで含めて見ないと、途中から判断を間違えやすくなるんです。
広告で最初に決めるべきなのは、媒体でもバナーでもなく「誰を集めるか」
以前相談を受けた会社でも、最初は「代理店変更した方がいいですかね?」という話でした。
ただ、数字を見ていくと、広告自体はそこまで崩れていなかった。
CPAも許容範囲だし、問い合わせ数も以前より増えている。むしろ、広告改善自体はかなりやっていました。
LP修正をして、ABテストを回して、クリエイティブも何度も変更している。
ただ、途中で止まっていたのは、広告ではなく、
「どんな会社の、どんな立場の人に問い合わせてもらいたいのか」
の整理でした。
例えばその会社は、本来なら、
- 現場改善まで相談したい製造業の社長
- 安さより安定供給を重視する購買責任者
- 外注先を減らして長く付き合える会社を探している工場長
のような相手と相性が良かった。
しかも実際には、
- 試作段階から相談できる
- 図面段階でコスト改善提案ができる
- 他社で断られた加工にも対応できる
- 品質トラブル時に現場対応できる
みたいな強みがあった。
ただ、広告ではそこがほとんど伝わっていなかった。
実際の広告は、
- 業界最安水準
- 短納期対応
- 無料見積
- 最短◯日納品
のような、“反応は取れるけど比較されやすい訴求”へ寄っていた。
なので、
「とりあえず数社問い合わせて比較したい」
ユーザーも増えやすくなっていた。
営業へ話を聞くと、
「最後、価格で比較されますね」
「他社との違いを説明しても、結局見積比較になりやすいです」
みたいな話が出てくる。
アクセス解析を見ると、料金ページや導入事例、実績ページまではかなり見られているんですが、そのあと問い合わせしても、そのまま比較表の1社になって終わる。
「比較用に資料だけ取られてる感じしますね」
と営業が言っていたのが、結構印象に残っています。
「反応が取れる広告」に寄るほど、“とりあえず問い合わせ”も増えやすくなる
広告が苦しくなってくると、多くの会社で始まるのが、“広告の数字”を改善する調整です。
例えばLPなら、
- ファーストビューのキャッチコピーを変える
- 「無料相談はこちら」のボタンを増やす
- 実績件数を目立たせる
- 「最短◯日対応」を大きく出す
- 「今なら無料診断実施中」を追加する
みたいな修正が入る。
バナーも、
「問い合わせ急増中」
「無料見積」
「業界最安水準」
「簡単30秒入力」
みたいな、“反応が取りやすい言葉”へ少しずつ寄っていくことが多い。
広告文も、
「今すぐ相談」
「まずは無料見積」
「他社比較歓迎」
みたいな方向へ調整されていく。
実際、それでCPAが下がることもあるし、CV数が増えることもある。
なので会議でも、
「CTA変えてから反応良くなりましたね」
「価格訴求の方がクリック率高いですね」
「無料相談入れたらCV増えました」
みたいな話になる。
ここだけ見ると、ちゃんと改善しているように見えるんです。
ただ、その頃から営業側では別の話が増えてくる。
「問い合わせ増えたんですけど、価格比較ばっかりですね…」
「資料送って終わるケースかなり多いです」
「相見積もり前提っぽい案件増えました」
みたいな話です。
実際、最初は、
「技術相談歓迎」
「設計段階から相談可能」
「量産前の試作提案できます」
みたいに、“技術的な相談をしたい会社”向けだったLPが、CPA改善を続けるうちに、
- 無料
- 短納期
- 最安
- 簡単
みたいな、“反応が取りやすい方向”へ少しずつ寄っていくことがあります。
もちろん、その方が問い合わせは増えやすい。
ただ、その分、
「とりあえず数社に問い合わせてるだけ」
みたいなユーザーも増えやすくなる。
「受注につながる広告」は、問い合わせの数だけを追わない
実際、広告を強化したあとに、
「問い合わせは増えたけど、決まりづらくなった」
という話はかなりあります。
その状態で、
「なぜこの会社を選ぶのか」
が整理されていないと、問い合わせ件数だけ増えて、提案と見積ばかり増えていく。
逆に、
- 「図面段階から改善提案できる」
- 「試作から量産まで一括対応できる」
- 「品質トラブル時も現場対応できる」
- 「購買部だけでなく現場責任者とも直接話せる」
みたいな、“比較されにくい強み”まで広告で伝えられると、問い合わせの中身はかなり変わってきます。
実際、そこが整理されると、
「最初から御社にお願いしたくて連絡しました」
みたいな問い合わせが少しずつ増えていく。
CPAだけを見ると、数字が悪化したように見えることもあります。
ただ、その後を見ると、
- 商談化率
- 受注率
- 平均単価
- 提案工数
は逆に改善しているケースもかなりあります。
例えば、
- CPA 2.2万円 → 3万円
- 問い合わせ数 月10件 → 月6件
に減っていても、
- 受注率 10% → 40%
- 平均単価 1.3倍
- 提案工数 半減
なら、利益はむしろ改善している可能性があります。
なので、
「CPAが下がった=成功」
とは限らないんです。
広告費を増やす前に、“何がズレているのか”を診断した方がいい
もし今、
- 広告費をかけているのに受注率が下がっている
- CPAは悪くないのに見積と提案ばかり増える
- 施策を増やしているのに方向性が見えない
- 「何が悪いのか」が曖昧なまま広告を続けている
なら、一度“広告管理画面”ではなく、
広告
↓
訴求
↓
LP
↓
比較検討
↓
問い合わせ
↓
商談
↓
提案
↓
受注
↓
利益
この流れ全体を整理した方がいいかもしれません。
Web戦略診断では、
- 集客
- 訴求
- 比較検討
- 営業接続
- 受注率
- 利益構造
まで含めて、「どこでズレ始めているのか」を整理しています。
無料Web戦略診断はこちら
「広告は動いている。
でも、なぜか売上につながらない。」
そんな状態になっている場合、問題は広告運用ではなく、
- 訴求
- 導線
- 比較検討
- 営業接続
- 受注構造
のどこかでズレ始めている可能性があります。
無料Web戦略診断では、
- なぜCPA改善だけでは売上が増えないのか
- どこで問い合わせが失注しているのか
- 何を優先して改善すべきなのか
を整理しています。
「何が悪いのか分からないまま広告を続けている」
という方は、一度整理してみてください。


